メイン | 2006年11月 »

2006年10月20日

ティファール回想記


674049_a.jpg

勢者必衰とは、よく言ったものだと。

ティファールは、かつての私にとって大きな憧れでした。
私にも、一般の少年のごとく、
パラパラのチャーハンに憧れていた時期があったのです。

おいしチャーハンのため その1
フライパンはカンカンまで熱するべし。

わたしにはそのカンカンの度合いがよく分からなかったのです。
でも、ティファールは、そのカンカンを教えてくれる。
パンのまん中にある赤いマークが、カンカンになると消えるのです。
若い私は、コレは、NASAの仕業だと思いました。
メイドインジャパンじゃダメだ、アメリカの仕業だと。
アメリカ製だと、思えば思うほど、憧れは膨らみます。

私は、18なのに、すっごいダダをこねて親にティファールを買ってもらいました。
至福で私は満たされました。


しかし、昨日見てしまったのです。
近所のジャスコ系スーパーで、ティファールは、
まるで靴下のようにワゴンに詰まれ、叩き売られていました。

ワゴンに積まれた、破格のティファールに、
買い物客達は、全く振り向きもしません。
20年前の美人が、今のオバサンであるように、
時代が・・・変わったのです。
若い内に華咲かせれただけでも、ずいぶん、マシだと。

2006年10月18日

テム・レイの憂鬱

ピクチャ 2 のコピー.jpg

仕事の合間は、屋上で気をヤキモキさせます。
うまくいかない時なんかは、屋上のツツジの花を手で叩いて落として、スッキリします。
そのうち、ツツジが丸坊主になるのではないかと、小さな期待も募ります。

今日も、ツツジを落としてやろうと、ヤキモキしながら屋上に上がったのですが、
屋上で、なんとたまげてしまいました。
テム・レイがいたのです!
テム・レイとは、みなさんご存知かとは思いますが、
アムロ・レイの父の名です。(参考:『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』)
しかも、職場の屋上にいたテム・レイは、テレビの中で見たのとは打って変わって、
威張りちらしているわけでもなく、呆けているのでもなく、
なんだか、とって悲しそうでした。

きっとアムロが、テム・レイ回路(これを装着すると、ガンダムが強くなる(テム・レイ談))を
アスファルトに叩き付けて壊してしまったのを知ってしまったのでしょう。
テレビでは描かれていなかったのですが、あんな家の目と鼻の先で壊してしまっては、
見たくなくても、見つけてしまいます。

屋上のテム・レイ。
生も魂も尽きたような表情で、放っておくと死んでしまいそう。
肩に手を当て、「ガンバ」とでも、声をかけてやるのが、人情というものです。
でも・・・、私にはできません。
憧れのテム・レイに、不意にこんな所で、出会ってしまったのですもの。
足がすくんでしまって、額の汗が止まらなくって、
屋上に、ツツジなんか落としにやってきた、自分自身が愚かで、
全く動けなくなってしまいました。

心の貧しい男、中村マスオ。その人間的器量は、1デシリットルにも満ちません。

2006年10月12日

鮎二郎と私

ayu.gif

私について、誰もが気になる事といえば、きっとこのニャンコの事だと思う。
名前は鮎二郎という。
近所を迂路つく野良猫共の中、たった一匹目を付けたコイツに、
毎夜キャットフードを与え、無理に懐かしたのが鮎二郎である。

鮎二郎という名前は、私のお気に入りの名前である。

鮎二郎という名前は、昭和の文学者の「井伏鱒二」からきています。
丁度その頃、新潮社の「山椒魚」という本を読んでいて、
生涯キザな東京弁と戦い続けた鱒二らしい、「嘘でしょ」というほど濃い方言の滝に浴びながら、
『お前は、鮎二郎に決めたがな』と、つたない方言の空マネで付けた名前を付けました。
ちなみに、井伏鱒二といえば、早稲田大学を教授のセクハラにより退学したようで、
どんな美男子じゃ、と好奇心そそられ新潮文庫のブックカバーのポラロイドを見れど、
なんだか、昔CMでやっていた『パッとサイデリヤ〜』のおじさんそのもので、
すごくガッカリしました、余談ですけど。
でも、「山椒魚」という本自体は、大変魅力的で、その魅力っぷりは、
やはりオダギリ・ジョーを遥かに凌ぐ、としか表現の仕様がありませんでした。余談ですけど。

鮎二郎・・・、きっと名前がいんだと思います。
鮎二郎という名前が、私名前であったなら、どんなに幸せであろうか・・・。
さぞ、私は魅力的であったに違いない。
この猫は大親友だから、私の大好きな名前を付けてやった・・・、少し惜しかったかもしれない。
私が卑しい心でいっぱいの時なんかは、私の喉の奥から、もったいないおじさんが顔を覗かせます。
グイっと飲み込めば、ゴリッと喉が痛いのですが、我慢します。
もういいんです。鮎二郎は無二の親友だから。

鮎二郎はメガネが大好きです。
鮎二郎はいつだって、寝る時には、私の股間を枕にするのですが、
突然ワッと起き上がったかと思うと、枕元のメガネを食わえて、何処かに行こうとします。
いつも柄を食わえるものだから、プラスチックで出来た柄はガタガタ。左だけネジがゆるんで開いてしまっています。
股間に衝撃を受けた私は、いつもビックリして起きてしまうので、
メガネを奪う鮎二郎を取っ捕まえるのですが、
起き損ねた時なんかは、
いつも庭の梅の木の根元に、だらしなく捨ててあるので、
なんだか淋しくなってしまいます。


山椒魚.jpg

山椒魚        井伏鱒二(いぶせ ますじ)

島のじじぃとばばぁのウサギを巡る口喧嘩の話「シグレ島斜島」や、ダムに沈む村に住む行政に憤るじじぃと、その隙にしじじぃの孫娘をモノにしようとする主人公の話「朽助のいる谷間」など、素敵なお話が盛りだくさん。