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2008年01月10日

生家


『捨てられた野菜』

冬の田舎にゆくと、このような白菜の屑がベッタリ、
畑の野菜の芽を寒さから守るビニールシートに、
くっついて捨ててあるのを目にする事ができます。

私には、この捨てられた白菜の屑をお布団にして、
薄くて高い冬の空を眺めながら、
暖かい土の上で眠った記憶があります。

きっと、勘違いです。

しかし、右腕に乗った、腐った白菜のヌルヌルした温かさは、
まだ、右腕の皮膚が覚えており、
太ももに乗った痩せた人参の葉は、
未だに付着している気さえもし、
背中に当たる、畑の柔らかい土の暖かさは、
もう一度触れてみたい、
中毒のように未だに私は欲しています。



『サンショウウオ』

私の生家近所の川、この辺りは峠の開きにできた山村で、
枕で寝ていても、カエルの声と、川の水がぶつかる音が聞こえるくらい、
静かで、上流の流々とした激しい川が流れる所。
その、川の水の溜まり、岩のゴツゴツした比較的緩やかな流れの所で、
幼い私は、いつも沢ガニを捕っては、ぽーんと川の流れの激しい所に、
投げ捨てて遊んでいました。

沢ガニは、いつも大きな岩をめくると、
粒子が細かく柔らかい砂の煙幕の中から、
スッと、伸びるように出てきます。

ある日、いつもより大きな岩をめくると、
そこにのぞいたのは、とても大きなサンショウウオ。
私はワッと驚いて、浅い水溜まりに尻餅をついてしまいました。

ポッカリとパンツまで濡れてしまったお尻は、
グジョグジョと気持ちが悪く、
私は、両手を前に、お尻を後ろに突き出し、
ヨチヨチと内股で、山の麓にどっしりと構えた、
藁葺きトタン屋根の頼もしく古めかしい生家まで、
細いあぜ道を辿って帰る事を、余儀なくされました。



『毒』

都会の毒にずいぶんヤラレました、

イナカに帰ると、自分だけがフケツみたい、
ずいぶん不誠意実な、
ズルい男になりました、
マックロに皮肉れた根性は、
まるでマッカなドロドロ、地獄のようね、

プツッと針をサシテおくれ、
スーッと毒は抜けるかしら。