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2008年04月10日


「春」
ぽかぽか陽気に、景色もなんだか白みがかって明るい。
やんわりとした明るい空気が鼻にかかって、
くしゃみが3回も出たので手がグシュグシュ、春なのね。

暖かいので、恋でもしようかしらと、
いつもの疲労が吸い付く重いアスファルトを、
踏んで、踏んで、今日は白味がかった街に出ます。

ごたごたした人ごみで見かけた、
あら、きれいな人。
華奢な肩にかかったグリーンのセーター。
後ろを追いかけてみます。

グリーンのセータは、コカコーラの自動販売機の横、
路地に続く、細い桜が塀から覗く曲がり角を、
短い髪をフッとふって折れたので、
私も後ろから、こてんと折れました。

私は、すっかり色きちがいです。

ウソ、私は今日も部屋にいます。


「川」
コチンと目の前の石ころを蹴とばすと、
向こうの石ころに当たって、2つとも、
昨日の雨で黄土色に濁った川に落ちてゆきました。

川底の岩に水と水がぶつかり、
川面はどぼどぼと膨らんだり沈んだり、
その流れの部分だけが透明で、キラキラ光っています。

足下の毛虫草の穂を千切って、
ぽーんと水面に放ると、
後ろから流れてきた桜と一緒に、
水面の淀みに吸い込まれていきました。

桜の花びらは、渦を巻いてクルクル回っていました。
私が放った毛虫草は、沈んだり浮いたり沈んだり・・・
どこかに行ってしまいました。

「桜」
雨にぬれてじわりとピンクに滲んだ桜は、今日、ますます赤みを増し、
雨を吸って重くだらりと垂れた枝先が、
いま、道を歩く私の鼻の先にあります。


目の前の、雌しべと雄しべをこちらに向けた湿った赤い花弁を観ていると、
何だか何も見えなくなってしまって、
そっと花に手を伸ばしたとき、
ワン!と後ろから犬に鳴かれ、
私はそのまま犬に追われました。